残念な王子とお節介な姫

その後、姫の家まで一緒に帰る。

「姫、疲れたのか?」

姫の最寄駅から歩きながら聞いた。

なんだか、遊園地を出てから、言葉数が少ない気がしたから。

「いえ、そんな事はありませんけど。」

そう言って、姫は俯いてしまう。

なんだ?
俺、なんかやらかした?

「明日は、どうする?
材料、買いに行かなきゃいけないだろ。」

俺がそう言うと、姫は、

「うち、こうときますから、大丈夫です。」

と下を向いたまま答える。

「それじゃ、重いし、大変だろ。
一緒に行くよ。」

「はぁ…」

やっぱり、変だ。

俺は、立ち止まって、姫の腕を引いてこちらを向かせた。

「姫、どうした?」

俺が顔を覗き込むと、姫は真っ赤になって、

「見んといてください。」

と顔を逸らしてしまった。

なんだ、これ?