残念な王子とお節介な姫

絶叫しすぎた姫は、降りると声が枯れていた。

「くくっ
そんなに叫ぶから。」

俺が笑うと、

「叫びたくて叫んでる訳やありません。」

とまた拗ねてみせた。

「ほら、行くぞ。」

俺が促すと、慌てて姫はついてきた。

しかし、この時間、出口に近付くにつれて、お土産を買う人、帰る人がごった返して、大混雑をしていた。

すると、姫が、俺のシャツの背をキュッと握った。

逸れそうで不安だったんだろう。

くくっ
かわいい奴。

俺は、振り返って、姫の手を握った。

「迷子になるなよ?」

そう言って、姫の手を引いて歩く。

俺は幼稚園の先生か。

俺は、姫の引率者の気分で、2人一緒にゲートを抜けた。