………分かった。

姫なりに気を遣ってるんだ。

明日は、本来なら、結との結婚式。

俺がひとりで辛くないように誘ってくれてるんだろう。

くすっ
かわいい奴。

「はいはい。
しょうがないから、付き合ってやるよ。
姫のわがままは、聞いてやらないとな。」

「わがままて、ひどい。
かわいいお願いやないですか。」

「はいはい。
何事も姫の仰せの通りに。」

怒ってむくれて、それでもかわいいなんて、こいつは徳な性分だなぁ。

結も、本当はこんな風に甘えたかったんだろうか。

遊園地とか行きたかったんだろうか。

ダメだ。
何かにつけて、結を思い出してしまう。