残念な王子とお節介な姫

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18時。

「姫、帰るぞ。」

俺は姫に声を掛ける。

「え? ちょっと早ないですか?」

姫は驚いた顔をする。

「若い女の子を遅い時間に部屋に入れる
訳にはいかないからな。」

「若い…て、課長、言い方がおっさんくさい
ですよ。」

「姫から見たら、十分おっさんだろ。」

姫の言葉に思わず、笑みが零れた。

「何ゆうてんですか。
王子がおっさんになったら、それはもう、
キングやないですか。」

「ははっ
そうか。俺、そろそろ王子を卒業して、王様に
なるのか。
ま、いいや。
ほら、とりあえず、帰るぞ。」

俺は、そう言って姫に帰り支度をさせた。