残念な王子とお節介な姫

「食べ切れないくらい冷蔵庫に入ってるから。
結の料理、捨てたくないから、もし、今夜
暇なら食べに来いよ。」

「……… 」

「………あ、そうだよな。
男の一人暮らしの部屋には来れないよな。
悪い。俺が考えなしだった。」

「いえ、課長がご迷惑やなかったら、伺って
いいですか?」

「もちろん。」


姫は素直でいい。

さっきみたいに感情をストレートに出してくれるのも、分かりやすくてありがたい。

それでいて、不快感が尾を引かないのも、楽だ。

女性と一緒にいて、こんなに楽なのは、結以外で初めてかもしれない。


そうか!

姫は、俺が家庭教師をしてた中学生女子と一緒だ。

俺が19歳の時に12歳の中学生。

年齢差7歳。

ちょうど、俺と姫の年齢差だ。

だから、話しやすいのかも。