残念な王子とお節介な姫

「振った男に優しくするやなんて、返って、
残酷やないですか。
そんなんされたら、忘れたくても
忘れられんようになりますやん。
そんなん、ずるいです。」

「姫?」

どうした?
何に憤ってる?

「ごめんなさい。
勝手な事、言いました。
うち、お昼ご飯こうてきます。」

姫は財布を持って出て行った。


10分程で、姫は下のコンビニの袋を下げて、戻ってきた。

姫は、袋から、おにぎり2個とお茶を出して、食べ始めた。

「姫、昼、それだけか?」

「はい。うちには愛妻弁当、作ってくれる人
おりませんから。」

姫の言葉に棘を感じる。

なんでだ?

「じゃあ、これ、やる。」

俺は、結の玉子焼きを弁当箱の蓋に乗せて、姫の机に置いてやった。