『伊藤は、言ってたよ。
お前の事を嫌いになった訳じゃないって。
俺が、
他の奴を思いながら宮本に抱かれる気か?
って問い詰めたら、
お前を思いながら、お前に抱かれる
って宣言してたよ。
あいつ、あんな見た目なのに、強いよな。』

「強くないよ。
強くないのに、気付いてやれなかった俺が
悪いんだ。」

『分かってねぇな。
男と女の事に、どっちがいいも悪いもないん
だよ。
あんまり、自分を責めるな。』

「ありがとう。
俺がこんな事言える立場じゃないけど、結が
仕事復帰したら、守ってやってくれよな。」

『ああ。
お前も、いい人見つけたら、報告しろよ?』

「結じゃなきゃ、いらないよ。
俺は一生独身だな。」

そんな話をして、電話を切った。