8月17日(土)

春山から電話があった。

『ハガキ届いたよ。』

「ああ。こんな間際にキャンセルして
すまない。」

『お前ら、どうなってる?』

「………事実上の破談だよ。」

『なんで?』

春山は、昔から聞きにくい事も平気で聞いてくる。

「お前の方が詳しいんじゃないか?
結、他に好きな奴がいる。」

『伊藤が言ったのか?』

「いや。
多分、結の姉さんが気付いて問い詰めたん
だと思う。」

『そうか。
で、子供は?』

「結の姉さんが養子にくれって言うから、
そうする事にした。」

『ふうん。
まあ、あんまり落ち込むなよ?』

「大丈夫だよ。
それより、お前は気付いてたのか?」

『………それを聞いてどうする。』

「いや、なんとなく。」