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会場に入り、席を探す。

…で、驚いた。

私の席は、前列左寄り。

つまり、仁くんの目の前。

これ、1番いい席なんじゃない？

そんな事を思っていると、コンサートが始まった。



クラッシック・クリスマス曲・ポップス・ジャズ…いろんなジャンルの曲を織り交ぜながら、演奏してくれて、飽きる事なく、どんどん引き込まれてく。

とっても感動する。

仁くんのピアノは、やっぱり世界一だよ。

最後の曲が終わり、余韻に浸ってると、アンコールの手拍子が鳴り始めた。

私も手拍子をする。

すると、ステージ袖から仁くんが現れた。

仁くんは、ピアノの前に座り、マイクを持ち、優しく微笑んだ。

あれ？
私を見てる？

いやいや、これはコンサートでよくある勘違いだな。