「どうしよう。
やっぱり、離したくない。
ダメだって分かってるのに、このまま絆を
連れてリハに行きたいよ。」

仁くんが、ぎゅっと抱きしめてくれる。

「仁くん、今度、一緒にお買い物、行こ?」

「買い物?」

「私、まだ仁くんにクリスマスプレゼント、
贈ってないもん。
仁くんがいつも私を感じてくれるもの、
贈らせて。
このリングみたいに。」

私がそう言うと、仁くんは腕を緩めて、私の手を取った。

そして、そのまま小指に口づける。

「じゃあ、俺もリングにしようかな。
いつも絆は俺の隣にいるって思えるように。」

「うん。」

仁くんは、そのまま上着を羽織って、ホームまで送ってくれた。

そして、最後まで名残惜しそうに私を抱き寄せて、

「絆、また東京で。」

と離れていった。