「じゃ、絆、明日10時に迎えに来るから。
おやすみ。」

仁くんはそう言って、私の頭を撫でる。

「おやすみなさい。」

私は恥ずかしくて、俯いたまま言った。

すると、最後に力を込めてくしゃっと撫でた後、仁くんは手を離して去っていった。

私はそれがなんだか寂しくて、慌てて駆け寄って、仁くんをタクシーのところまで見送る。

仁くんは、私の頬に手を添えて、

「今日は、会えて嬉しかった。
また明日な。」

そう言って、タクシーに乗り込み、帰っていった。