【完】クール男子と極甘シェアハウス




「お母さんには言えないの。絶対、反対されるから」



「バイトがしたいだけならあのカラオケ館にこだわる必要ないんじゃないか?ファミレスでやったらついた嘘も本物になるだろ?」



「それはそうなんだけど、ファミレスじゃ時給が安すぎて稼げないから...」



こんなこと言ったらガッツいてる人みたいな感じになって嫌だな。



自分のお金のためだけじゃないよ!?



「どうしてそこまで稼ぐ必要がある?うちとシェアハウスすることでそういう問題は解決されるはずなんじゃないのか?」



「お母さんと2人暮らしの時はお母さんの収入だけじゃ厳しくてバイトを始めた。シェアハウスすることで光熱費とかは助かることになると思う。だけど学校のお金は全部自分で払ってるし私に関するものは自分のお金で払ってるからちょっとのバイトじゃ稼げないの」



柊くんなら分かってくれるって信じてる。



「学校で必要とされるお金、全部自分で払ってる?千佳さんは知らないのか?」



「うん。お母さんは一切、知らない。お母さんは光熱費とか生活に必要なお金を払うために無理して働いてくれてる。そんなお母さんにこれ以上、負担をかけたくないから」