「ただいま~」



家に帰るとすでにお母さんは居間にいた。



いつもこの時間、お母さんは働いているのに今日は家にいるってことはよほど大事な話ってことかな。



「おかえりなさい、亜美」



「お母さん、話って何?」



今の私はお母さんの話が気になってしかたない。



今すぐにでも結論をダンっと言ってほしい。



「話してあげるからとりあえず座りなさい」



どことなく緊迫感がある中、私はソファに腰かけた。



「亜美、お父さんのところから出て行ってからずっと私達2人で暮らしてきたじゃない?」



「うん...」



私は6歳の頃からお母さんと2人でずっと暮らしてきた。



なぜ母子家庭で育ったのか、その答えは簡単。



私の父親が最低な人だったから。



ただそれだけ。



もっと良い人だったら今とは違う生活を送っていただろうな。