そんな過程があったんだ。
私があの場面だけを見て決めつけて飛び出してしまったんだ。
「全部は亜美の早とちりだったってわけ」
「だって!あんな場面を見たら誰だって勘違いしちゃうよ...」
好きな人のあんな場面を見て冷静に考えられる人はいないと思う。
「で、俺は告白したけど返事は?」
「へ、返事?」
「そう。俺の決死の告白の返事をしないとかないよね?」
そう言いながら優夜くんはどんどん距離をつめてくる。
どんどん顔が赤くなっていくのがわかる。
これはちゃんと言わないと絶対に離してくれないパターンだ。
「私も...優夜くんが好き...です」
言い終わった瞬間に唇が温かさに包まれた。
優夜くんとの初キスはちょっぴり涙の味がした。



