「....ごめんっ!」
震える声でその一言だけ叫んで、家を飛び出した。
「亜美!」
後ろから優夜くんの焦った声が聞こえたけれど、無視して走り続けた。
とにかく逃げたかった。
あの場所にあの空間にいたくなかったから。
だから走り続けた。
どこか遠くに行きたくて。
あんな光景を見せられて冷静でいられるわけないじゃん。
どう落ち着けっていうの!?
もう心がぐちゃぐちゃでどうしたらいいか分からない。
「ゲホゲホッ、うっ...!」
ずっと走ってたから急に立ち止まると息が苦しい。
あの空間にいれるほど私の心は強くない。



