いや、正確に言うと手の力が一気に抜けて滑り落ちてしまった。
今目の前の私が見ているであろう光景が衝撃的すぎて...。
これは夢なんじゃないか?
私の見ている光景は幻なんじゃないかとすら思っているよ。
だって私は一体何を見せられているの...?
「...亜美」
優夜くんの言葉でハッと我に返る。
私の目には確かに映っている。
優夜くんと瀬戸崎さんがお互いに抱きしめあっている姿が...。
この状況は一体、何?
目の前には抱きしめあっている男女に立ち尽くす私...。
これってどう考えても私がお邪魔なパターンだよね?
どんどん現実味が増してきて、体が冷たいもので冷えていくのを感じる。



