近くの公園のベンチにお互い腰掛けた。
生ぬるい風が私達の間を吹きぬける。
「....亜美ちゃんは柊さん家族と一緒にあの家で住んでるの?」
口火を切ったのは瀬戸崎さんの方だった。
「はい。私は母子家庭で貧乏だったので、柊さん家族に助けていただいてます」
内容なんて言わなくてもいいものを言ったのは、単に同情を引こうと思ったからかな。
「そう...。柊さんは優しいものね」
この人は優夜くんだけじゃなくて、春惠さん達のことも知っている。
家族の方とも顔見知りなほどの関係だったということ?
この人の存在は春惠さん達も認知しているのかな。
柊家公認の人とか?



