こんな古典的な作戦に引っかかるなんて本当の馬鹿だね。
このご時世、引っかかる人がいるとは思ってなかったよ。
こんな街中に金色のカエルなんているわけないじゃんね。
引っかかってくれる方達でよかったよ。
こういう時、足が早い自分に感謝する。
小さい頃に走りまわってたおかげだね。
しばらく走って、後ろを振り返ると追ってきてなかったので走るのをやめた。
ここまで追いかけてきたら執念の深さに感服するよ。
そんな執念深い男は嫌われるだけだけど。
落ち着いたところで隣で乱れた息を整えている女性に話しかける。
「突然すいません。大丈夫ですか?」
私のライバルかもしれない人を助けるなんて、私も相当な馬鹿。



