「....優夜くん」
女の人も会うとは思ってなかったのか、びっくりした表情で彼を見つめている。
「...あの時はごめんなさい!」
突然、大声で頭を下げてから走り去った。
「えっ⁉︎ちょっと待って!」
混乱しながらも引き止めようとしたけど、意外にも足が早くて無理だった。
「真子さん....!!」
優夜くんの切羽詰まった声は最後、彼女に届いたのだろうか。
こんなに感情を露わにして、叫ぶ優夜くんの姿を見たことなかったから。
正直、驚いてというか状況が整理できてない。
何にも把握できてなくて混乱してる状態。
彼女は一体、何者なの?
どうして謝ったのか、どうして走り去ったのか。
あの時っていつなの?
色んな疑問が浮かんでは私の心を締めつける。



