突然、太一に呼び止められた。



「話って何?バイトだからなるべく時間短めにできるならいいけど...」



太一が改まってこんなことを言うなんて、きっと何かわけがあるんだろうと思った。



だけど、この後バイトで遅刻したくないから時間がとられるのは辛いんだよ。



「そんなに時間はとらせないから」



そう言って歩き出した太一に私は着いていった。



今の太一があまりにも真剣で従うしかなかった。



これから何が起こるのか全く分からない。



こんな改まって何の話をするつもりなの、太一...。



しばらく無言の太一について行ってたどり着いた場所は誰もいない中庭だった。



夏の暑い日差しが肌をさす。



ここには今、私と太一の2人しかいない。