こんな感じのお店なんてテレビでしか見たことないし、自分には縁のない場所だと思ってたよ。



一体どれだけ高いんだろう...。



貧乏な私には想像つかないよ。



「よし、亜美行くわよ」



その声からお母さんも緊張しているんだと分かった。



でも....



「お母さん、今どんな気持ち?」



「楽しみよ」



ふふっ。今のお母さんならそう言うと思ってたよ。



一種の終わりかもしれないけど、今日は新たな門出の日。



新しい始まりなんだ。



いつまでも前の生活を嘆いていても何も始まらない。



不安もあるけど新たな一歩を踏み出すんだ。



私とお母さんはいかにも高級そうなレストランへ足を踏み入れた。