「急で申し訳ないんだけど、2人にお知らせがあるのよ」
食事中、春恵さんがいきなり切り出した。
「何?嫌な予感しかしないんだけど」
柊くんはどことなく感じとっているようだ。
「実はね、今夜私達誰もいないのよ」
えっ?誰もいないってどういうこと?
「すいません、詳しく説明してもらってもいいですか?」
「お父さんは仕事で週末までいなくて、私はご近所さんとの会があって帰れないの」
「私も実家から呼び出されて一旦、帰らないといけないの」
「実家に?私は行かなくていいの?」
呼び出されたなんて初耳なんだけど...。
「亜美は学校があるでしょ?大した用じゃないから大丈夫よ」
「じゃあおばあちゃん達によろしく言っといてね」
おばあちゃんとおじいちゃんはとても優しくて温かい人。
小さい頃からいつも私のことを守ってくれて、話を聞いてくれた。