「無理!絶対に無理!」
そんなことしたら私が恥ずかしくて死んじゃう。
それに学校の女子に目撃されたら私、殺されてしまうかもしれない。
柊くんにおんぶされるなんてファンの子からしたら夢のまた夢。
そんなことを私がしてもらってもいいんですか?って思ってしまう。
「いいから早く。無理なら俺の母さんを呼び出すことになるけど?」
うっ、それを引き合いに出されると辛い。
だってわざわざ春恵さんに来てもらうほどでもないし。
私がこういう性格だって分かってて言うんだもん。
「...失礼します」
断ることができなかったので、おそるおそる柊くんの背中に乗る。
「ごめんね、柊くん」
絶対重いよね。
重いであろう私の体を背に乗せて柊くんは立った。



