「そうだった?」
「あぁ。母親が怒り出した時、父親は戸惑っているだけで何もできていなかった。かかあ天下の家庭なんだろう」
すごいな、柊くん。
そんな細かいところまで見抜いていたなんて、さすがだ。
「あんたが一発言ったからもう大丈夫だろうな。家庭事情も変わるはずだ」
「ならよかったのかな...」
これからいい方向に向いていくなら結果的によかったってことになるけど。
「そんな気にするな。みちやもあんたのおかげで、救われたのは事実なんだしさ」
「ありがとう...」
どうしよう、今日の柊くんが優しすぎて泣いてしまいそう。
そんな私に気づいたのか、頭の上にポンッと手をのせた。
その手はとても温かかった。
その後、先生が迎えに来てくれて家まで送ってくれた。