萌達のところに連れていってもいいけど、いきなり大きい人達に囲まれると怖いよね。
それにこの子、私の上着を掴んで離そうとしないし...。
近くに親はいないっぽいし、やっぱり迷子かな。
とりあえず、迷子センターに行ってみようかな。
行く途中で両親の方と会うかもしれないし、迷子センターにいるかもしれないし。
「僕、名前は言えるかな?」
「...みちや」
その子が小さいながらも発した名前はちゃんと届いたよ。
「みちやくんか。私は上田亜美って言います。お姉ちゃんと一緒にお母さん達を探しにいこっか」
そう言って手を差し出すとおそるおそる手を握ってくれた。
とてもかわいい!
心の中はとても不安だよね。
絶対に私がお母さん達と巡り合わせてみせる。
子どもがいなくなって探さない親なんているはずないから。