顔をあげると、葉山くんが、わたしのお弁当を見ていた。 「紗奈ちゃんが作ったの?」 「うん。」 「へぇー。すげぇな。」 「そんなことないよ?」 料理は、好きなほうだけど。 家にあったおかず詰めただけだし。 朝から作ったのなんて、卵焼きくらい。 「いただきまーす。」 食べ始めたけど、葉山くんが、ずっと見てて、食べにくい。 見ないでよ~ 無視し続けるけど、いっこうにお弁当から、目を逸らさない。 「………食べる?」