「全て本気だよ。
俺、夕凪先生に嘘を吐いた事はないから。」

「またまたぁ。
そうやって、からかうから信用されないん
ですよ。
私、男の人にあまり免疫がないんですから、
そうやって遊ばないでください。」

「全然、遊んでないんだけど。
どうしたら、信じてもらえる?」

相変わらず、武先生は飄々としている。

私だけが焦って、バカみたい。

「はいはい。
信じてますよ。
武先生は、私の事を好きなんですね。
とっても嬉しいです。」

私は、思いっきり棒読みで答える。

「じゃあ、明日、10時に迎えに行くから。」

「は!?」

「デート、するでしょ?」

何、何!?

「しないでしょ!?
武先生、悪ふざけが過ぎますよ。」

「ええ!?
しないの? 残念。」

武先生がわざとらしく、しょんぼりして見せる。

「ふふっ
もう、武先生とは出かけません。
武先生、私をおもちゃにしすぎです。」

「そんな事ないのに。」

食事を終えたのは9時過ぎだったけど、武先生と他愛のないお喋りをしてたら、気付けば10時になっていた。

武先生は、代行を呼んでもらい、
「お先に。また来週ね。」と帰って行った。