「え?
礼央さんの家、ご存知なんですか?」

私は驚いて尋ねる。

「はい。
嘉人が何度か遊びに行った事があると
言ってますから、嘉人に案内させます。」

お父さんはにっこりと微笑む。

「そうなの?」

私が嘉人くんに聞くと、

「うん。自転車で何回も遊びに行ったよ。」

と得意気に答える。

だったら、個人情報、気にしくても良かったんじゃない。

私は思いっきり脱力した。

その後、食事を終え、私は席を立つ。

「今日は、本当においしいお食事をご馳走に
なってしまい、ありがとうございました。
来週から、夏休みですけど、私は学校に
おりますし、何かありましたら、すぐに
ご連絡ください。」

私がお礼を言うと、お父さんは微笑んで答える。

「こちらこそ、先生が一緒だと、嘉人も食事が
楽しそうです。
また、機会がありましたら、ぜひいらして
くださいね。」