これは、どういう事だ?

俺は、今、嘉人に泣かれることを覚悟して話した。

だけど、嘉人は泣くどころか、自分で新しい母親を見つけて、俺の代わりにプロポーズしてきた?

「嘉人。
嘉人は、ママに帰って来て欲しいとは
思わないのか?」

「うーん、ママは好きだけど、夕凪先生は、
もっと好き。」

母親よりも先生が好きって…

母親が悪いのか、先生が良すぎるのか。

確かに、魅力的な先生ではある。

だけど、彼女の何がこれほどまで、嘉人の心を惹きつけるのか、俺は不思議で仕方がなかった。



そして、翌日、嘉人は友達にけがをさせた。

昨日は何でもないような顔をしてたが、やはりどこかにイライラの種を抱えていたのかもしれない。

帰宅してすぐに嘉人から聞いて、そのまま菓子折りでも持って謝りに行こうと思ったが、夕凪先生がうちに来ると言うので、ひとまず、ちゃんと話を聞いてからにしようと、思い留まった。

俺は夕飯を3人前作る。

先生にもご迷惑を掛けたんだから、お詫びとお礼を兼ねて、食事くらいはご馳走したいと思ったんだ。