また、スタッフにマイクを渡されたけど、私は何も言えなくて…

ただ嗚咽を漏らすばかりで…

喋るのは慣れてるはずなのに、こんなに何も言えなくなるなんて…

「………はい。」

私は泣きながら、それだけをようやく絞り出した。

そんな私の背中をゆっくんがとんとんと優しく叩いてくれる。

ようやく落ち着いた私だったが、その後に続くのは、両親への手紙。

私は、また、泣いてしまった。

そのあと、ゆっくんの挨拶。

その中で、
「夕凪は、荒んだ俺の心に咲いた一輪の
ひまわりでした。
この優しいひまわりを100年後も咲かせ
続けられるように、一生をかけて守って
いきます。」
と言われて、また泣いてしまった。

結婚式って、こんなに泣けるものなの?

今まで、何回か友人の結婚式に出たけど、こんなに新婦が泣いてるの、見た事ないよ。

自分でも呆れるほど涙がこぼれたけど、止めようと思って止められるものでもなくて、私は化粧を崩しに崩した。