「うん、美晴ちゃんは、きっと喜んでくれる
だろうな。
でも、夕凪先生のお父さんやお母さんはなぁ。
パパ、バツイチだし、嘉人は夕凪先生の
教え子だし。」

「バツイチって何?
僕が夕凪先生の教え子だとダメなの?」

嘉人くんは、必死で瀬崎さんに食い下がる。

「バツイチって言うのは、離婚した事がある
って意味だよ。
パパは、去年の夏まで、ママと結婚してた
だろ?」

「結婚してたら、ダメなの?」

嘉人くんは、素直な分、容赦なく質問責めにする。

だから、私は親子の会話だけど、口を挟んだ。

「ダメじゃないよ。
でもね、夕凪先生のお父さんとお母さんは、
ちょっと心配するの。
嘉人くんのパパは、どうして嘉人くんの
ママと仲良くできなかったのかなって。
先生と結婚しても、仲良くできなくて、
別れちゃったらどうしようって。
だから、大丈夫だよってお話してくる
んだよ。」