「…はい。
私もずっと瀬崎さんが好きでした。
よろしくお願いします。」

私がそう言うと、瀬崎さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

「分かってたけど、ちゃんと夕凪に言って
もらうと、やっぱり嬉しいな。」

瀬崎さんは、私のうなじに手を添えると、そっと触れるだけの優しいキスをした。

「さっ、せっかく夕凪が作ってくれたん
だから、冷めないうちに食べなきゃ。」

瀬崎さんはそう言うと、手を洗って食卓につく。

「いただきます。」

2人で手を合わせて、食事を始める。

でも、私は瀬崎さんの感想が気になって、食べられない。

「うん、うまいよ。
ちゃんと筋切りもしてあるし、味もいい。
夕凪は、やっぱり、やればできるんだな。」

瀬崎さんに褒められて嬉しくなった私は、ようやく食事に箸をつけることができた。