3月の第3土曜日。

私は、コンビニへ行こうと部屋を出た。

すると、前からやってきた車が、突然、私の横に停車した。

何?

怖くなって、一瞬、警戒するが、運転席に見知った顔を発見して、ほっと胸を撫で下ろす。

助手席の窓がウィンと下がって、小さな男の子と武先生が顔を覗かせる。

「夕凪先生、どちらへ行かれるんですか?」

「ちょっとそこのコンビニまで。
武先生は、こんなところでどうされたん
ですか?」

「妹の子なんですけど、妹が仕事なので
預かってるんです。
男2人で家にいるのも退屈なので、そこの
公園で遊ぼうかと思いまして。
夕凪先生、もしお時間があるようなら、一緒に
どうですか?」

まぁ、暇といえば、暇なんだけど…

「チビですけど、結構走るのが早いので、
追いかけるのが大変なんですよ。
手伝っていただけると助かるんですが… 」

頼られると、嫌と言えない私。