「へぇ、おもしろそう。
楽しみだな。」

瀬崎さんは目を丸くして驚く。

「うん。
子供たちも張り切って練習してるから、
楽しみにしてて。

………ごちそうさまでした。」

そう言うと、私は立ち上がって食器を片付ける。

すると、瀬崎さんも立ち上がって私の後についてくる。

流しに食器を置いた途端、後ろから瀬崎さんに抱きしめられた。

「夕凪、好きだよ。
いい年して情けないけど、しばらく夕凪に
会えないって思っただけで、切なくて
苦しくて、自分でもどうしていいか
分からなくなった。」

瀬崎さんが耳元で囁く。

「瀬崎さん… 」

私も、瀬崎さんに会えないと思うだけで、残り2ヶ月がとてつもなく長く思えた。

瀬崎さんは、そのまま私の耳にキスをする。

「あっ…」

その瞬間、私は膝から崩れ落ちてしまった。

瀬崎さんは、慌てて私を抱きとめてくれる。