「先週の事は分かりました。
では、たびたび瀬崎嘉人くんのお父さんが、
神山先生のご自宅を訪問されているという
のは、本当ですか?」

それも!?

「あの…
はい、事実です。」

私はためらいながらも、正直に認めた。

「ただ、その、想像されているような関係
ではなくて、料理を教えていただいてるだけ
なんです。」

それを聞いて、校長は首を傾げる。

「どうして、瀬崎さんに?」

「あの、瀬崎さんは、Accueil(アクィーユ)と
いうフレンチレストランの社長さんで、以前、
厨房にも入っていた事があるそうで、お料理が
とても上手なんです。
一方、私は、全く料理ができなくて…
だから… 」

私は一生懸命説明するけど、これ、ちゃんと理由として成り立ってる?

私は、声が震えないようにする事で精一杯だった。