「では、その頃、お伺いします。」

『はい。お待ちしております。』

私が電話を切って席に戻ると、武先生の刺さるような視線を感じた。

「届けるんですか?」

責められてると思うのは、私の被害妄想なのかな?

「はい。
嘉人くんはこだわりも強いので、算数の
ノートだと嫌がってやらないのかも
しれませんね。」

私は、もっともな理由を答える。

「大丈夫ですか?」

「何がですか?
心配なさるような事は何もありませんよ。」

私は思わず突き放すような言い方をしてしまった。

「ごめんなさい。
嫌な言い方をしてしまいました。」

私はすぐに頭を下げる。

すると、武先生は苦笑いを浮かべながら、

「いえ、俺も嫌なことを言いすぎたのかも
しれません。
お互い様です。」

と答えた。

こんないい人がストーカーな訳ないじゃない。