なっ!?

瀬崎さん、ひどくない!?

なんでそこで私に振るの!?

「へぇ。
…だってさ。
姉ちゃん、どうなの?」

「そんなの答える訳ないでしょ。」

私は、弟から顔を背ける。

なのに…

「姉ちゃん、顔赤いよ。
図星なんだ?
くくっ」

弟は、私の横でクスクスと笑い続ける。

私は弟を無視して、視線を子供たちに戻した。

子供は子供で、嘉人くんが美晴に一生懸命、あや跳びを教えているところだった。

遊んでいる時の嘉人くんは、やっぱり、普通の子と変わりなく…

教えてもらってる美晴も、私と縄跳びをするより楽しそうだ。

だけど、瀬崎さんが声を掛ける。

「嘉人、そろそろ帰るぞ。」

「ええ〜!?」

嘉人くんの不満の声が上がる。

「外を見てみろ。
もう、真っ暗だろ。
夕凪先生も美晴ちゃんも晩ご飯の時間だ。
嘉人も帰って、晩ご飯、食べよう。」