私たちがヒソヒソ話してると、弟が私の隣にやってきた。

「姉ちゃん、こんなとこでいちゃつくなよ。
そんなんで、よく付き合ってないなんて
言うよな。」

「なっ!!
べつにいちゃついてなんかないし。」

焦る私とは対照的に、全く動じない瀬崎さん。

なんで!?

「そう見えてるんだとしたら、嬉しいですね。
今のところ、私の片思いなので。」

瀬崎さんは、にっこりと微笑んで言う。

もう!!

そんな恥ずかしい事、弟に言わないでよ。

「へぇ、瀬崎さんって、そういう人なんだ?」

弟は不躾に瀬崎さんを上から下まで眺める。

「そういうって、どう見えてるんでしょうね?」

「んー、照れもせずに愛を囁ける…みたいな?
毎日、愛してる、とか言っちゃったり?」

弟がそう言うと、瀬崎さんは笑い始めた。

「くくっ
それはご想像にお任せします。
答えはお姉さんから聞いてください。」