家庭訪問は恋の始まり

「みぃちゃん、知らせるって、何を?」

「嘉人さんとみぃちゃんが従兄弟になるって、
教えてあげるの。
みぃちゃんは、従兄弟がいなくて可哀想って、
みんな言ってたから。」

美晴はにっこり笑ってそう言うと、止める間もなく、部屋を飛び出して階段を駆け下りてしまった。

「みぃちゃん!!」

私は、慌てて追いかける。

だけど、田舎の広い家とはいえ、所詮、庶民の一軒家。

あっという間に美晴は居間にたどり着いてしまった。

「ばぁば、あのね、みぃちゃんに従兄弟が
できるんだよ。
嘉人さんね、みぃちゃんの従兄弟になるの。」

あちゃー。

言っちゃったよ。

「違っ、違うから。
みぃちゃん、違うの。
さっきのは、嘉人さんが、そうなったらいいな
って思ってる事で、そうなるって決まった事
じゃないの。」

私は焦って説明する。