家庭訪問は恋の始まり

面倒臭くなった私は、

「じゃあ、二階へ行くよ。
みぃちゃん、私、飲み物持ってくから、
2人を部屋へ案内してあげて。」

と3人に声を掛ける。

「はーい!」

家に帰ったせいか、さっきより元気になった美晴がご機嫌で返事をして、2人を階段へと案内する。

私はそれを見送って台所へ行き、お茶とジュースを用意する。

が、そこへ母がやってきた。

「夕凪、どういう事?」

「どうって、電話で説明した通りだけど?」

何かを感じているらしい母は、それでは引き下がらない。

「スキー帰りに偶然会った?
そんな偶然、あるわけないでしょ。
大体、あなたはコンビニに何を買いに
行ったの?
手ぶらじゃない。」

あ…、しまった。

「美晴とポテト食べて帰ってきたのよ。
悪い?」

「悪くないけど、美晴がついて行かなかったら、
何を買うつもりだったの?」

「えっ?」

何も…とは言えないけど、何も考えてなかったから、答えられない。