家庭訪問は恋の始まり

「いや、でも、お正月からお邪魔するのは、
ご迷惑だし、非常識でしょ。」

瀬崎さんは苦笑する。

「それはそうかもしれませんけど、
誘ったのは美晴ですから。」

私はそう言うと、母に電話をする。


「あ、お母さん?
あのね、今、コンビニで偶然私が担任する子に
会ったんだけどね。

………………

それが、なんか、スキー帰りにたまたま
飲み物を買いに寄ったんだって。
でね、美晴がうちで一緒に遊びたいって
言うの。

………………

うん、でも、兄さん家は、さすがに
お義姉さんに申し訳ないでしょ?
だから、私の部屋で遊ばせてもいい?

………………

うん、お父さんも一緒だから、大丈夫。

………………

ありがとう。」

私は、電話を切って、子供たちに向き直る。

「私の部屋なら遊んでもいいって。」

「やったぁ!」
と飛び跳ねる嘉人くんと、私の袖を掴んだまま、
「ゆうちゃん、ありがと。」
と小声で囁く美晴。

対照的な2人だけど、仲良くできるのかな?