家庭訪問は恋の始まり

「明日、会えますから。」

恥ずかしくなった私はボソッと言う。

『2人では会えない。』

瀬崎さんがつまらなそうに答える。

瀬崎さん、2人で会いたいと思ってくれてるんだ。


「それでも…
………会えます。」

私がそう言うと、

『そうだな。
ごめん、大人気なかった。』

と謝られた。
謝ることなんて、何もないのに。

「いえ。」

『夕凪、おやすみ。』

「おやすみなさい。」

『夕凪、愛してる。』

「うん。」

明日…

明日、2ヶ月ぶりに会える。

私は、教師になって5年半。

初めて授業参観を楽しみに眠りについた。