すると、お父さんが口を開いた。

「私なりに、ADHDについて調べてみました。
芸能人にもそういう人達がいて、常識人では
ないけれど、個性的な魅力ある人だと、
私は感じました。
先生は、嘉人もそうなれると思われますか?」

この人、お母さんとは全然違う。

落ち着いてて、思慮深くて…

「もちろんです。
嘉人さんは、とても素直です。
自分の感情に素直すぎて、社会の枠から
飛び出してしまう事もありますが、今から、
きちんと対応策を教えてあげれば、将来、
自分の障害と上手に付き合っていけると
思います。
嘉人さんのために、一緒にご協力いただけ
ませんか?」

「もちろんです。
明日にでも、嘉人を連れて病院に行って
みます。」