「そうですね。
嘉人くん、今日はとっても頑張ってました。
順番を待ってる間に地面にお絵描きしたり、
砂遊びしたりしたら、最後のリレーは
出さないよって言ってあったので、一生懸命
我慢してたんですよ。
開会式も閉会式もちゃんと列に並んで
立ってましたし。」

ADHDの子が、運動会で1番辛いのが動いちゃいけない開会式と閉会式。

だけど、嘉人くんは多少、フラフラ揺れてはいたけど、その場を離れる事なく、最後まで頑張ってた。

『そうか。
じゃあ、明日起きたら、それも褒めてやろう。
今日は、リレーとかけっこしか褒めて
やらなかったから。』

「ぜひ、褒めてあげてください!
そしたら、嘉人くん、また頑張れると
思います。」

『いつもありがとう。
夕凪が担任で、本当に良かった。』

「いえ、私は当たり前の事をしてるだけ
ですから。」