家庭訪問は恋の始まり

まぁ、あとで考えたら、1年生の担任同士で付き合ってるって噂が流れても困るし、その上、女教師を巡って児童と張り合ったなんて噂が流れたら、不利益しか被らないんだから、さすがの冷静な判断だとしか言いようがないんだけど。


結局、そこでの支払いは、全て瀬崎さんがしてくれて、武先生はお礼を言って、爽やかに帰っていった。

残った私達は、瀬崎さんの車に向かう。

「嘉人、お前、後ろな。」

瀬崎さんは、そう言って、助手席のドアを開け、シートを倒す。

「ええ!?」

不満顔の嘉人くん。

「私、後ろでもいいですよ?」

私はそう声を掛けるけど、

「いえ、この車、後ろがほんとに狭いんで、
子供が乗るのが1番いいんです。
それに、嘉人、夕凪先生は、パパの隣が
似合うと思わないか?」

と言って、嘉人くんにニヤリと笑って見せた。