家庭訪問は恋の始まり

嘉人くんは、キラキラと目を輝かせて、
「うん!!」
と返事をした。

「夕凪先生、ご自宅まで送らせて
いただけませんか?
嘉人もそれで満足すると思いますので。」

「え? あの… 」

それって、武先生とはここで別れてって事?

「武先生、大変申し訳ないんですが、
夕凪先生とのデート、嘉人に譲って
いただく訳にはいきませんか?」

瀬崎さんは、武先生に向き合う。

いやいや、普通、デート中のカップルに、「彼女を譲ってください」は、ないでしょ?

まぁ、幸か不幸か、私達は、カップルでも彼女でもないけどさ。

武先生は、一瞬、強張った表情を見せたものの、すぐにいつもの穏やかな笑みを浮かべて、
「大丈夫ですよ。」

と言った。

え? ほんとに?
私を好きなんじゃ、なかったの?

私はなんだか、拍子抜けした。