家庭訪問は恋の始まり

「へぇ。
じゃあ、夕凪先生、
6月に僕のママになってよ。」

嘉人くんの言葉を聞いて、武先生が固まる。

「嘉人さん、夕凪先生は、先生だから、
お母さんにはならないんだよ。」

武先生が嘉人くんに言い聞かせる。

「うん、知ってるよ。
でも、6月なら、もう僕の先生じゃ
ないでしょ?」

嘉人くんは、にこにことご機嫌で話す。

「嘉人さん、それは分からないよ。
もしかしたら、夕凪先生、来年、2年生の
先生になるかもしれないだろ?」

その言葉で、嘉人くんは不安な表情を浮かべた。

「そうなの? 夕凪先生。」

「うーん、そういう事がないとは言えないけど。
嘉人さんは、2年生になったら違う先生が
いいの?
夕凪先生は、もう嫌?」

私が聞くと、

「だって、夕凪先生、ママがいいもん。」

と口を尖らせる。