家庭訪問は恋の始まり

エンドロールの間になんとか泣き止もうと努力していると、武先生の手が伸びてきて、頭をポンポンと撫でられる。

その手の温もりが「大丈夫だよ」と言ってるようだった。

でも、これって、小学生にするのと一緒だよね。


エンドロールも終わり、室内が明るくなると、嘉人くんの明るい声が響いた。

「おもしろかったね〜!!」

そうか。
嘉人くんには、おもしろかったんだ。

私がハンカチをバッグにしまっていると、嘉人くんが駆け寄ってきた。

「夕凪先生! ご飯、食べよ?」

すると、武先生が言った。

「先生、ポップコーンでお腹いっぱいだから、
嘉人さんとお父さんで行っておいで。」

「ええ!?
夕凪先生、行こうよ〜!!」

嘉人くんが、私の腕を引っ張る。