家庭訪問は恋の始まり

もう一度って、昨夜のをもう一度!?

私は、慌てて首を振る。

「そんなに力いっぱい否定しなくても。
傷つくなぁ。」

そう言いながらも、武先生は笑ってて。

だから、やっぱり本気だとは思えなくて。


「そろそろ、行こうか。」

武先生に促されて、私たちは再び映画館へ向かう。

「お茶飲んだばかりだけど、飲み物どうする?」

売店のメニュー表示を見ながら、武先生が尋ねる。

「んー、ポップコーンとオレンジジュースに
します。
武先生は?」

「じゃあ、俺はコーラとポップコーンに
しようかな。」

「了解です!」

私はそう言って、売店の列に並ぶ。

さっき、映画のチケットを買ってもらったから、これくらいは出さなきゃ。

武先生のお誕生祝いなんだし。

なのに、武先生は私の隣に並んでる。

「武先生、ここは私が出しますから、その辺で
待っててください。」