家庭訪問は恋の始まり

私がそう言うと、瀬崎さんは眉をひそめた。

「あのさ、あの学年主任さんって、
独身なの?」

「うん。
あんなにイケメンなのに、不思議だよね。
性格だって、優しいし、気遣いもできるし、
絶対、モテると思うんだけど。」

すると、瀬崎さんは突然私の手を握った。

な、何?

「夕凪、今、俺がこんな事言う資格ないのは
分かってるんだけど。」

「何?」

「その、学年主任さんと2人で食事とか
できれば行って欲しくない。」

「え?」

「俺は、春まで待つって言ったんだし、
ちゃんと付き合ってる訳でもないし、
おまけにとんでもなく面倒なコブ付きだけど、
夕凪の事は、真剣に好きなんだ。
誰にも渡したくないと思ってる。
だから、その、例え上司でも、デート
みたいなのは、心穏やかでいられないと
いうか、心配というか… 」